この記事はAIの弱点
ところがコンピューター科学や心理学の専門家によれば、現段階でのAIは弱く、決して人間の知能に太刀打ちできるものではないという。例えば、アルファ碁。「囲碁」という特定の領域内ではすばらしい能力を発揮するが、そのアルファ碁に車の自動運転を任せても破滅を迎えるだけだ。 つまり、今のAIは特化型人工知能(Artificial Narrow Intelligence, ANI)に過ぎない。汎用的で人間にとっては単純な作業ほどANIにはむずかしい。
「猫」を正しく認識するために、ANIは何万、何億という猫の写真を読み込んで学習しなければならないが、子どもはきっと2、3匹の猫を見ただけで4匹目も正しく認識できるようになるだろう。
子どものようなAI
いかに汎用人工知能(Artificial General Intelligence, AGI)に近づけるか。ヒントはAIの父とも言われるイギリスのコンピューター科学者、アラン・チューリングの言葉にあった。
真の人工知能を達成するためには
大人よりも子どものような機械が鍵となる。
ゴプニック教授によれば、今のところコンピューターが子どもを超えられない理由は三つあるそうだ。ひとつはランダムな要素。子どもは夢中に遊びながら時にすばらしい論理の飛躍から新たなる遊びを見出すことがあり、その過程でどんどん新しい学びを吸収していく。
ひとつは、実際に体を動かして五感を働かせ、体で学んでいく過程。
そしてもうひとつは、まわりの人との情報共有だ。子どもは親や先生、兄弟や友達と絶えずフィードバックしている。親のように愛情と忍耐を持って常に接してくれる存在がもしAIにもあったとしたら、そのAIは自らの思考を微調整する機会をたくさん与えられることで、より賢くなっていくはずだ。
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